いえづくり計画㉜〜「この家、将来“住み替え”できる?」を考えていますか 〜

2026年1月26日 更新

佐藤拓哉

大阪本店

いえづくりコラムでは皆様のいえづくりの役に立つ情報を発信していきます。

第32回は、〜「この家、将来“住み替え”できる?」を考えていますか 〜です。

 

「この家で一生暮らすつもりです」

そう言って家を建てた人の多くが、

実は20〜30年後に住み替えを検討しています。

・子どもが独立した

・階段がつらくなった

・夫婦2人には広すぎる

・実家や親の土地の話が出てきた

これは珍しい話ではありません。

人生100年時代、住まいは“一度きり”ではなくなったのです。

◆ なぜ今「住み替え前提の家づくり」が重要なのか

日本の住宅市場は、これからますます

  • 人口減少

  • 空き家増加

  • 売れない家の二極化

が進みます。

つまり、

「どんな家でも売れる時代」は完全に終わったということ。

これから家を建てる人ほど、

「将来、住み替えられるか?」

を考えておかないと、身動きが取れなくなります。


◆ 住み替えで“詰む家”に共通する特徴

住み替えの相談で、実際によく出てくるのが次のような家です。

  • 間取りが大家族前提で細かく区切られている

  • 階段しか移動手段がなく、1階に居室がない

  • 水回りがすべて2階

  • 個性的すぎる内装・設備

  • 土地が極端な変形地で再利用が難しい

これらは、

今は便利でも、将来の買い手・借り手が一気に減る要因になります。

◆ 「住み替えしやすい家」は最初から違う

一方で、住み替えやすい家には共通点があります。

● 間取りが“足し算・引き算”できる
  • 1階に最低1室の個室

  • 可変性のある間仕切り

  • 水回りが1階完結でも生活できる

● 平屋 or 平屋的に暮らせる
  • 2階に行かなくても生活が成立

  • 将来リフォームで1階完結にしやすい

● 「普通」に見えること

実はこれ、とても重要です。

  • 奇抜すぎない外観

  • 流行りに寄りすぎない内装

  • 誰が住んでも違和感がない

“普通”は、最大の流通価値です。

◆ 住み替え=失敗ではない

よく誤解されますが、

住み替えは「計画ミス」ではありません。

むしろ、

  • ライフステージに合わせて住まいを変える

  • 不要な維持費を減らす

  • 資産を現金化して次に備える

という、とても合理的な選択です。

問題なのは、

「住み替えられない家を建ててしまうこと」。


家づくりで本当に大切なのは、

「今の理想」だけでなく、

**「未来の選択肢を残すこと」**です。

  • 売れる

  • 貸せる

  • 小さくできる

  • 形を変えられる

こうした“逃げ道”を持った家は、

暮らしにも、心にも、余裕を生みます。

これからの家づくりは、

一生住む家を建てる

ではなく

一生困らない家を建てる

時代です。

住み替えを前提に考えることは、

未来を悲観することではありません。

未来を信じて、備えることだと私は思います。