いえづくり計画㉗〜家とお金の“出口戦略”――資産価値を落とさない住まい〜

2025年8月22日 更新

佐藤拓哉

大阪本店

いえづくりコラムでは皆様のいえづくりの役に立つ情報を発信していきます。

第27回は 家とお金の“出口戦略”――資産価値を落とさない住まい編 です。

「家は一生もの」とよく言われます。

しかし現実には、住み替え、相続、転勤、老後の生活スタイルの変化など、

“出口”を迎えるケースは決して少なくありません。

出口を考えずに建てた家は、いざという時に 「売れない・貸せない・相続で揉める」 という

大きな後悔につながることもあります。


◆ 資産価値を落とさない家の条件

資産価値を長く保つには、立地条件だけでは不十分です。

次に住む人が「使いやすい」と感じることが重要です。

・流通しやすい間取り:極端に個性的ではなく、収納が豊富で動線が良い

・性能の確保:耐震・断熱・省エネなど、一定以上の基準を満たしている

・維持管理のしやすさ:修繕が容易で、記録が残されていること


◆ 出口を見据えた家づくりのポイント

1. 貸せるか?売れるか?を常に意識する

 駅からの距離、駐車場の有無、土地の形状は市場での強みになります。

2. ランニングコストを抑える設計

 光熱費やメンテナンス費が少ない家は、買い手にも貸し手にも魅力的です。

3. リフォームのしやすい構造

 間取り変更が容易な「スケルトン&インフィル」などは出口で強い武器になります。

4. メンテナンス履歴を残す

 点検や修繕の記録をしっかり残すことで、査定評価がぐっと上がります。


◆ これからの時代、「出口」を考えないと損をする

人口減少が進む日本では、将来的に「売れない不動産」が確実に増えていきます。

だからこそ、出口戦略を考えることは単なるお金の話にとどまりません。

・家族に迷惑をかけない安心

・老後に選択肢を残す安心

・住み替えや相続でスムーズに進められる安心

資産価値を守る家づくり=安心を守る家づくり なのです。

 

家を建てるとき、多くの人は「今の暮らしやすさ」だけを考えがちです。

しかし本当に賢い家づくりは、「建てたあと、どうなるか?」までを考えること。

出口を見据えた住まいこそ、これからの時代に求められる“資産防衛の家”です。