いえづくり計画㉚〜 住宅価格が上がり続ける中で、今「買うべき人」と「待つべき人」 〜

2025年11月21日 更新

佐藤拓哉

大阪本店

いえづくりコラムでは皆様のいえづくりの役に立つ情報を発信していきます。

第30回は、住宅価格が上がり続ける中で、今「買うべき人」と「待つべき人」編、です。

ここ1〜2年で、住宅会社の相談件数の中でも圧倒的に増えているのが

「今って建て時なんですか?それとも待った方がいいですか?」

という質問。

結論から言うと、

“誰でも買い時” という時代は終わりました。

今は、家づくりに向いている人と向いていない人がはっきり分かれる時代です。

この号では、

「今、本当に建てた方が得をする人」

「今は無理して買わない方がいい人」

を明確にお伝えします。


◆ これまでと何が違う?
住宅価格が「上がり続ける時代」に突入した

かつては、

「建材高騰は一時的」「そのうち下がる」という見方もありました。

しかし実際は、

  • 木材の国内需要増

  • 人件費の上昇

  • 為替による輸入材の高騰

  • 職人不足

  • インフラ維持費の上昇

これらが全部“下がらない方向”で固定化しています。

つまり、

今後も住宅価格が大きく下がる可能性は極めて低い。


◆ では、「買うべき人」は誰か?
① 家賃を払い続けている家族

毎月の家賃はすべて“戻ってこないお金”。

特に、家族が増えると広い家が必要になり、

家賃アップ=負担が増えるだけ。

→ こういう世帯は “家賃を住宅ローンに変えるだけで資産になる” タイミング。


② 住宅ローン控除が最大限使える収入帯の人

近年の減税は「控除上限」より「省エネ性能」が鍵。

一定の性能基準を満たす家なら、

13年間の減税効果が大きい。

→ 年収450〜800万円層は特にメリット大。


③ 子どもが小学生に上がる前の家庭

もっとも動きやすいのがこのタイミング。

引っ越し・転校・生活圏づくりを考えても、

「学区を固める前」が圧倒的に有利。


◆ 逆に「今は待つべき人」
① ローン返済がギリギリ
返済比率が高く、老後資金を圧迫する可能性がある世帯。

→ 無理して建てると生活が崩れます。


② 転勤・転職が近い人

定住の見込みが薄いと、

住み替えコストが重くなる時代。


③ 親との関係で将来の土地・実家の扱いが未定

“実家の相続” が絡む場合、

今建てると二重コストになる可能性。

→ まず親と話し、ロードマップを作るべき。


住宅価格は「下がるかも」ではなく

“上がり続ける前提で計画する時代” に入りました。

だからこそ大事なのは、

今のあなたはどっちタイプか?

ここを明確にすること。

家づくりは焦る必要はありませんが、

“待つことが損になる人” も確実にいます。

大切なのは、「正しいタイミングで動くこと」。

これが、2025年以降の家づくりにおいて

もっとも重要な視点だと私は考えます。