いえづくり計画㉙〜 「電気代が下がらない家」に共通する、3つの落とし穴 〜
2025年10月25日 更新
いえづくりコラムでは皆様のいえづくりの役に立つ情報を発信していきます。
第29回は 「電気代が下がらない家」に共通する、3つの落とし穴編 です。
「オール電化にしたのに、思ったより光熱費が安くならない」
「冬のエアコン代がすごい」
「太陽光を付けたのに、なぜか電気代が下がらない…」
ここ数年の電気代高騰を受けて、
「節電できる家を建てたい」「エネルギーを自給したい」という声が増えています。
ところが実際には、最新設備を入れても電気代が下がらない家が多いのです。
その理由は、意外な“設計の落とし穴”にあります。
◆ 落とし穴①:断熱性能は良くても「気密」が弱い
断熱材を入れていても、隙間(気密性能)が低いと熱が逃げる。
たとえば、冬にエアコンをつけてもすぐ寒くなる家は、
壁や窓のわずかな隙間から暖気が漏れていることが多いのです。
対策:
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住宅性能表示で「C値(気密性能)」を確認
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標準仕様でも「C値1.0以下」を目安に
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玄関ドア・サッシは樹脂製+Low-E複層ガラスが理想
◆ 落とし穴②:間取りが“空調効率”を邪魔している
冷暖房の効きにくい家の多くが、
「吹き抜け」「廊下の多い間取り」「ドアの開け放し」が原因です。
おしゃれな吹き抜けも、空調効率の面では弱点。
冷たい空気は下へ、暖かい空気は上へ逃げます。
対策:
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吹き抜け部分にシーリングファンを設置
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冷暖房をゾーニング(使う空間だけ冷暖房)
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ドアを減らすより、断熱ドアで仕切る設計を
◆ 落とし穴③:太陽光や蓄電池を“使いこなせていない”
太陽光パネルを載せたのに、売電単価の下落で思ったほど得していない。
そんな声も増えています。
太陽光は「付けたら終わり」ではなく、どう使うかがポイントです。
対策:
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昼間に電気を使う生活リズムをつくる
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**蓄電池と組み合わせて“自家消費型”**に
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エコキュート・食洗機・乾燥機などを昼稼働に設定
住宅の省エネは「設備」よりも「設計」で決まります。
どんなに最新のエアコンや太陽光を導入しても、
熱が逃げ、風が通らず、空気が滞る家では意味がありません。
本当に強いのは、“仕組みで節電できる家”。
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無理なく快適
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家計にもやさしい
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地球にもやさしい
これが、これからの“エネルギー賢者の家”です。







