いえづくり計画㉖〜「こんなはずじゃなかった…」を防ぐ、間取りの“地雷”ランキング 〜
2025年7月23日 更新
いえづくりコラムでは皆様のいえづくりの役に立つ情報を発信していきます。
第26回は 「こんなはずじゃなかった…」を防ぐ、間取りの“地雷”ランキング編 です。
家づくりの打ち合わせが終わった瞬間、
「最高の間取りができた!」と誰もが思います。
でも、実際に住んでから気づくのです。
“あれ?なんか、使いづらいぞ…?”と。
間取りの失敗は、小さな違和感が毎日積み重なり、
10年後には「大きなストレス」に変わります。
今回は、施主さんから集めた「よくある間取りの後悔」と、
“「それを未然に防ぐ“プロ目線の回避策」”を、5つ厳選してお届けします。
◆ 後悔①|「玄関が狭くて、朝が渋滞する」
家族が同時に出かける朝、
玄関で靴を履くスペースが足りずに「どいて〜!」とバタバタ。
よくある原因:
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玄関の幅が1坪未満
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家族分の靴・傘・ベビーカーなどの収納を考えていない
回避策:
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1.5坪以上+横並び2人が立てる幅が理想
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シューズクロークを動線から少しズラす設計で混雑回避
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将来を見越して「ベビーカー置き場」も検討を
◆ 後悔②|「洗面所が脱衣所と同じで、気まずい…」
思春期の子どもがいる家庭でよく聞く後悔。
誰かが入浴中は洗面が使えない、という不便さに気づいていなかったケース。
よくある原因:
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洗面+脱衣+洗濯を1室に詰め込んでしまう設計
回避策:
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洗面台を廊下側に独立させて、脱衣室とは別空間に
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狭小住宅でも「2WAY動線」や「引き戸」で解決可能
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洗濯機は脱衣室、洗面台は共有空間という“用途分離”が鍵
◆ 後悔③|「コンセント、全然足りない!」
家具を置いてから「ここに差し込み口が欲しかった!」と気づくのは定番。
特にダイニングまわり・キッチン・ベッドサイドは後悔ポイント多数。
よくある原因:
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家電やスマホの充電位置を想像せずに配置した
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実際の家具配置が考慮されていない図面で進めた
回避策:
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家具・家電の「使うシーン」から逆算して配置を設計
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図面上に実際の家具を落とし込んで検討する
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とりあえず多めに差しても、スイッチ付きタップで対策できる
◆ 後悔④|「キッチンから子どもが見えない…!」
オープンキッチンを選んだはずなのに、
リビングのソファや勉強スペースが“死角”になってしまい、見守りができないという声も。
よくある原因:
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キッチンとリビングが“なんとなく繋がってるだけ”の設計
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テレビ中心に配置を考えたことで死角が生まれた
回避策:
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キッチンの向きを「真正面リビング向き」に
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子どもスペースはキッチンから常に見える位置に
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対面カウンターの高さを低めにして視界を確保するのも◎
◆ 後悔⑤|「収納が“場所も容量も”ちょっと違う…」
「収納はたくさん作ったはずなのに、なんで片付かないの?」というモヤモヤ。
実は、“どこにあるか”が収納力を左右します。
よくある原因:
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動線と収納が噛み合っていない
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各部屋に細かく収納を分散しすぎた
回避策:
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「使う場所のすぐ横」に収納を作るのが鉄則
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土間収納、洗面収納、キッチン背面収納は特に要検討
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“3歩以内で取れるかどうか”が片づけ習慣を左右する
◆ まとめ
間取りの打ち合わせは楽しいものです。
ですが、その中で「何を想像できたか」が10年後の満足度を決めます。
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朝の混雑
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思春期の気まずさ
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コンセント不足
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見守りたいのに見えない距離感
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収納したのに片付かない現実
家族の生活は、図面の外側で起きるもの。
“図面の上で暮らす”くらいのリアルな想像力を、ぜひ持ってほしいと思います。