いえづくり計画⑩〜多世代住宅の魅力とデメリット〜

2024年3月4日 更新

佐藤拓哉

大阪本店

いえづくりコラムでは皆様のいえづくりの役に立つ情報を発信していきます。

第10回は多世代住宅の魅力とデメリット編です。

多世代住宅という言葉を聞いたことがありますか?これは、祖父母、親、子供たちが一緒に生活する住宅のことを指します。近年、このような家族の新しい形態が注目を集めています。ただし、多世代住宅には魅力だけでなく、デメリットも存在します。今回は、多世代住宅の魅力とデメリットについて詳しく見ていきましょう。

1. 家族の絆を強化する空間

多世代住宅は、家族の絆を強化する理想的な空間を提供します。祖父母、親、子供たちが一緒に生活することで、日常生活を共有し、お互いの存在を大切にする機会が増えます。また、子供たちが祖父母から貴重な教訓や知識を学び、世代間のコミュニケーションが活発化します。

2. プライバシーと共有スペースのバランス

多世代住宅のデザインでは、プライバシーと共有スペースのバランスが重要です。個々の家族メンバーが必要なプライベートスペースを持ちながら、共有スペースも充実させることで、住んでいる家族のニーズに対応します。独立した入り口や寝室の設置など、プライバシーを確保する工夫がポイントです。

3. シェアドライフスタイルの促進

多世代住宅では、生活を共有することで経済的負担を軽減し、持続可能な生活スタイルを実現することができます。共通の家事や食事の準備、子育てのサポートなど、家族全体で負担を分担することで、ストレスを軽減し、豊かな生活を築きます。1階に両親が、2階に子供の夫妻と孫が住んでいるお施主様がいますが、やはりふとしたタイミングで子供を1階に預けることができることが魅力だ、と語っておりました。

4. ユニバーサルデザインの取り入れ

多世代住宅のデザインには、ユニバーサルデザインの原則を取り入れることが重要です。高齢者や身体的制約のある人々にとっても快適に過ごせるよう、バリアフリーの工夫や安全性の確保が求められます。段差の少ない構造や手すりの設置など、家族全員が安心して生活できる環境を整えましょう。

以上、多世代住宅の魅力を書いてきましたが、もちろんデメリットもあります。以下に可能性のあるデメリットを紹介します。

1. コミュニケーションの調和の難しさ

異なる世代が一つの居住空間を共有することで、価値観や生活スタイルの違いが原因でコミュニケーションの調和が難しくなる場合があります。意見の相違や衝突が生じる可能性があるため、円滑なコミュニケーションが求められます。

2. プライバシーの制約

多世代住宅では、個々の家族メンバーのプライバシーを確保するために工夫が必要ですが、完全なプライバシーが確保されるとは限りません。他の家族メンバーとの共有スペースや生活リズムの違いによって、プライバシーの制約を感じる場合があります。これについては内階段を設けず、外階段にして玄関を別にすることで、完全にプライバシーを確立しているお施主様もいらっしゃいます。

3. 財政的負担

多世代住宅では、家族全体で生活費や住宅ローンを分担することが一般的ですが、経済的負担を平等に分けることが難しい場合があります。特に高齢者や子供がいる場合、財政的な負担が増える可能性があります。

以上、多世代住宅は家族の絆を深め、共に成長する素晴らしい場所ですが、デメリットもしっかりと考慮することが重要です。このブログが皆さんのいえづくりの一助になれば幸いです。