高騰する木材市場とその影響②

2021年4月21日 更新

佐藤拓哉

大阪本店

まだまだ木材価格は高騰しております。
前回のブログで、アメリカの住宅市場が好調であること、物流コストの高騰の2つの大きな要因が背景にある、と書きましたが、それ以外にも2つ大きな要因が重なっていました。

①好調な中国市場②日本の木材輸入国としての地位の低下です。前回同様この2つについて詳しく説明していきたいと思います。

①について、アメリカだけでなく、中国でも木材の需要が高まっているようです。そもそもアメリカの住宅市場が好調なだけで世界の木材価格が高騰するものなのか、と不思議に思っていましたが、それだけではなさそうです。ここで現在木材価格を混乱させていると言われているアメリカの住宅市場について分析してみます。

下記の図はアメリカの年間住宅着工戸数(単位は千戸)ですが、2005年をピークにそこから2008年にかけて一気に下落しています。これはもちろん住宅バブルの崩壊から始まったリーマンショックの影響ですが、このビックイベントの前のアメリカでは、サブプライムローンにより信用度の低い人がローンを組んで家を購入していたことにより、2005年には年率換算で220万戸を超える住宅着工数となっておりました。
ここで注目いただきたいのは、2021年1月時点での住宅着工戸数は188万戸とリーマンショックの前と比較すると着工棟数に大きな開きがあります。

もう一つ注目いただきたい指標はシカゴの木材先物市場の価格推移です。

ここで、2005年に着工棟数が220万戸を超えていた時の木材価格を見ていると確かに上昇はしていますが、現在の異常な高値ではないことが分かります。
つまりアメリカの住宅市場がいくら好調といっても、この事象だけを木材価格高騰の理由とするのは十分ではないことが分かります。

そこで他の要因として考えられるのが中国市場における木材の需要増です。
2021年4月17日の記事で、中国向け国産材丸太の価格が過去にない高値水準だと報じられていましたが、中国は全世界から木材を買い集めているようです。以下のリンクは世界の材木市場においての中国に関連する記事だけを集めた英文サイトですが、タイトルだけ見ても分かる通り、中国が世界中から木材を購入していて価格が上昇していることが分かります。(記事の内容を読むのは有償となっておりますが、タイトルだけでも判断できるかと思います)
https://www.globalwoodmarketsinfo.com/area/china/
中国ではコンクリート住宅が多く木造住宅が一般的ではないのですが、内装材や家具等での需要が多いのか、多くの木材が購入されています。よってアメリカと中国という2つの大国での需要が高まったことが、異常な木材高騰の背景にあると思われます。

次に②ですが、日本ではコロナ前から住宅着工件数は低水準で推移しており、輸入木材は在庫過多の状態となっていたようです。よって木材輸入大手各社は、欧州の製材業者に対して2020年夏の契約数量を大幅に減らしました。ところがコロナによる消費者マインドの悪化や緊急事態宣言によって住宅メーカーが2020年春に営業をかけることができなかったということもあり、住宅着工件数は依然低い水準であり、2021年が始まっても欧州製材業者への契約は回復しませんでした。製材業者はついに日本に見切りをつけ、アメリカや中国といった高値で大量に購入してくれるところに販売をシフトしたようです。

前回のブログ内容も鑑みて纏めると、今回の木材不足及び価格の高騰については、
①アメリカ/中国の木材需要の高まり
②物流コストの高騰
③日本の木材輸入国としての地位の低下
、の3つが挙げられます。

ではこのウッドショックといわれる状態はいつまで続くか、というのは諸説ありますが、2022年1月以降に落ち着くのではと言われております。
ただ私の予想では、多少価格が下がったとしても高水準を維持して、海外材の輸入量も以前のような水準には戻らず、国産材への切り替えを急いで進めていくが、暫くは需要に追いつかない状況が続くと思います。そして国産材の供給が追いついた時にやっと価格が下がって一服感出てくるのかなと。アメリカ/中国は今後も高い水準の建築需要を維持すると予想されますし、木材需要が一気に高まらないと日本の木材輸入国としての地位は上がらず、それは住宅着工件数が増えていかない限りは難しいと思うからです。

かなり厳しい状況ではありますが、日本の伝統工法ともいわれる木造軸組工法の住宅がなくなることはありえません。国産材の供給を思いっきり増やすような動きに出る等対策を打って、このピンチを乗り切ることを信じております。半年後にはもしかしたら海外材の価格も下がっていて、「あの騒ぎはなんだったんだ。」と笑いながら話しているかもしれません。

今後も材木屋の子会社の工務店として情報を発信していきたいと思います。

最後に少しPRさせてください。弊社ではモデルルームとして活用していた木恵を分譲としても販売しておりますが、住宅の原材料の値上がりにより今後注文住宅価格が上がってくる可能性があり、価格上昇前の分譲は値打ち感が出てくるかと思います。以下URLから見学もできますので、ご覧頂ければ幸いです。
モデルハウス

それでは今後とも、木恵とベターホームを宜しくお願い致します。

佐藤