調湿

2024年11月1日 更新

浅野覚

大阪本店

10月も中頃になり朝晩は随分過ごしやすくなりました。
今年の夏は7月初めの梅雨明け頃から酷暑が続いていました。現場で作業中に体全体が怠く浮いた様になり、熱中症とは、このようなものかと思いました。職人さんは車の中でクーラーを、かけて休んでいました。その頃に比べると仕事もしやすくなりました。ただ30度近くの気温と高い湿度の為、不快指数(この頃はあまり言われなくなりました。)が高く梅雨に舞戻ったようです。気温が高くても湿度が低ければ過ごし易いのですが少し残念です。

 湿度と言えば住宅でも頭を悩ます種です。人間が家の中で暮らしている時には、かなりの湿気を出しています。調理時、入浴、睡眠中等、生活には、つきものです。この頃の省エネ住宅では断熱性能を上げる為に空気の流通を遮断しています。室内の床や壁、天井の下地の裏にビニールシートを張ることもあります。これでは換気しなければ湿気を含んだ空気で息苦しくてたまりません。
 日本家屋は昔から、木材や土、紙等、吸排湿が自然にできる材料で造られており建物自体が自然に調湿してくれていました。近代的な住宅では室内に自然素材に依る調湿は困難になっています。

 雨漏れを防ぐ為に壁に張ってあったアスファルトフェルトが透湿防水シートに代る等、湿気を逃がす材料が様々に開発されています。又屋根や壁に通気層を設け湿気を逃がす工法も開発されています。その様な材料や工法を積極的に取り入れた省エネ性能に優れた住宅で、特に室内の湿度対策を工夫した住宅を造りたいと思います。早く秋が来たら良いと思います。

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