【上棟式は日本古来の伝統】…?

2023年6月16日 更新

早瀬淳

大阪本店

先週、新築工事の棟上げをさせて頂きました。

棟上げは、梅雨入り前の上棟吉日に行う工程を組むのですが、今年はまさかの、例年より2週間も早い梅雨入り。

 当日も、午後から雨の予報でした。棟梁が応援を増員して、天も15時まで雨を降らさず、雨養生のブルーシートを貼り終わった頃から、ポツリ、ポツリと振り出しました。

 お施主様の人柄、棟梁の日ごろの行いのお陰で、無事棟を上げることができました。

 

さて、『上棟式は日本古来の伝統』当然ですよね。と、私もそう思っていました。

実は、海外から伝わったものらしいのです。直ぐにインターネットのウィキペディアやブログで調べてみました。

 歴史は古く、古代のスカンジナビア(スウェーデン:ノルウェー:デンマークのあるスカンジナビア半島)までさかのぼります。

 家を建築する際、木の霊をしずめる為の宗教儀式として、上棟式を行っていました。それが各地に広まり、日本に伝わり上棟式という習慣が生まれました。

 ですので、日本の上棟式のような儀式が、北ヨーロッパをはじめ、世界各地で行われているそうです。

 上棟式が始まったデンマークでは、「rejsegilde」と呼ばれ、骨組みが完成した時点で儀式が行われます。

 常緑樹の枝葉をリースのように丸くして作った飾り物とデンマークの国旗、リボンやテープを、家の一番てっぺんに飾るのが一般的で、その見た目は大変可愛らしいのだそうです。

 ドイツの上棟式も、デンマークに似ていて、丸い輪状のリースとカラフルなリボンを屋根の上に飾っています。名称は「Richtfest」です。

 アメリカやイギリスでは、「Toppinng out」トッピングアウトと呼ばれる上棟式が行われ、骨組ができた時点で常緑樹の飾りをして幸運を祈ります。建物の骨組みを作っていき、最後の梁(棟)を屋根に引き上げ、建物の最上部に固定してから飾りつけを行うのですが、その棟木には、大工や建築主の名前が署名されています。

 どの国も常緑樹の枝葉で飾り物を作っていますが、常緑樹には成長や、幸運を祈る意味あいがあるのだそうです。

 以前のブログでも上棟式を取り上げ、紹介したように、日本の上棟式も、基本構造が完成し、棟木を引き上げ固定した段階で執り行います。

 式の方法や次第に規定はなく、地域による差異もあるようです。

 江戸時代の浮世絵師《歌川広重》が、安政3年(1856年)に製作した浮世絵名所絵「名所江戸百景」の119枚の連作の1枚「大伝馬町呉服店」で、上棟式の際に飾った幣串と破魔矢を担ぎ、棟梁送りをする様子を描いています。

 ちなみに、この「大伝馬町呉服屋」に描かれている商家「大文字屋」は現在の大丸です。

 

  今回のお話は 早瀬 でした。

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