55年ぶりの万博

2022年8月5日 更新

浅野覚

大阪本店

2025年に大阪で万博が開かれようとしています。1970年の大阪万博の時は、確か高校2年生でした。学校から見学に行ったのを微かに覚えています。人が多くて各パビリオンを見学した覚えが、ありませんでした。お祭り広場の大屋根が特に印象に残っています。鉄のパイプと球形の継ぎ手を、組み合わせた大きな屋根が特徴の構造物でした。他の建物も、鉄やガラスが多用されていました。次の世代の建築物だと思ったものです。

 

先日の新聞に今回の万博の大広場の屋根のデザインパースが、発表されていました。記事によると周囲2キロの回廊は木構造で作られるようです。55年前が鉄骨造で今回が木構造と言うことです。木の価値が見直されて大きな建物にも使用できるようになった事、再生可能な木の資源を有効に利用しようとする時代の流れもあり、両方の考え方が合わさって木の欠点を補うような技術が開発され、今回の万博で木構造自体を展示するのだと思います、木を扱う私たちに取っては夢があります。

 

私が木造建築の仕事についた頃は大工さんが仕事場で1本1本、柱やはりを鋸やのみで加工していました。材木も半分くらいは国内のもので杉や桧も結構利用していました。柱や梁も使う場所を考えて上下右左など気にしながら加工していたものです。加工が大工さんの手を離れてプレカット工場に移る頃から、材木の良い部分と接着剤で作られた構造用集成材が主流になってきたと思います。集成材は変形も少なく強度も安定しているので、この材料が無ければ万博で展示される木構造の屋根や回廊も実現不可能だと思います。3年後の大阪万博では、ゆっくり時間をかけて各パビリオンを見学してみたいものです。

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