世界の様々な事象から影響を受ける日本の住宅資材

2021年10月5日 更新

佐藤拓哉

大阪本店

 ウッドショックに引き続き、住宅業界に新たな試練が降りかかっています。
トイレやサッシ、給湯器など、住宅を建築する時に必要な資材の供給が不足してきているのです。
 
 理由は様々ですが、まず挙げられるのは東南アジアでコロナ感染が深刻となりロックダウンを実施した国がでてきたことで、部品の供給が滞っていることです。
ベトナムではホーチミンにてロックダウンが実施されたことで、大手建材メーカーのトイレの供給が滞ったようです。
 
 次に最近よく聞く半導体不足は住宅業界にも影響を及ぼしています。例えば半導体不足により、給湯器の供給が遅れている、ということは結構前から言われております。
 
 最後に中国の電力不足という、一見建築資材の供給不足とは程遠いような事象も影響を及ぼしてます。例えばアルミサッシも供給不足となってますが、これは現在急激に値上がりしている原料のアルミニウムと関係しています。この表でもわかるようにアルミ価格は急騰しており、13年ぶりの高値となっています。(ちなみに史上最高値は3,300ドルくらい)アルミ価格は2020年より上昇していますが、その背景はアルミニウムの世界最大生産国である中国の電力が大きく関わっています。(中国のアルミ生産量は世界の55%を占めます)
 
 
 中国は温室効果ガスを2060年に実質ゼロを掲げており、それに向けて電力使用量の削減を段階的に進めてます。中国の電力は石炭火力発電がメインですが、(50%くらい)石炭は多くのCO2を排出します。アルミニウムの生産には電力を大量に使用しますので、アルミ精錬所に対して生産制限をかけているようでアルミの供給が減っているようです。また干ばつにより水力発電も十分に稼働できておらず、これもアルミの生産制限に拍車をかけているようです。
 
 更に9月5日にギニアにて政変が起こったこともアルミ高騰の背景としてあるようです。ギニアはアルミ原料であるボーキサイトの主要生産国であり、中国はそのボーキサイトをギニアから購入しています。そのギニア政府の大統領は親中的でボーキサイトの安定的供給を約束していましたが、軍の特殊部隊がクーデターを起こしたことで、この安定供給が今後どうなるかという不安材料が市場に織り込まれたことが価格高騰に繋がっているようです。
 
 以上、アルミ高騰の背景の話が少し長くなりましたが、アルミサッシに話を戻すと、アルミニウムの供給が不足している中でアルミサッシの生産にも影響が出ている、と思われます。
 
 このように東南アジアでのロックダウン、半導体不足、中国の電力不足と、様々な事象が住宅資材の供給に影響しており、改めて日本のモノづくりのサプライチェーンは世界に跨っており、世界とは切って離せないのだな、と感じました。