浴室と便所の造り方、今昔

2021年7月30日 更新

浅野覚

大阪本店

 今から35年くらい前に木造戸建住宅の浴室に、システムバスが採用され始めました。

それまでの浴室の造り方といえば、基礎は浴室廻りを、コンクリートやブロックで1m高くして、床には土を入れてコンクリートを打ちタイル張り、壁もモルタル(セメントと砂を水で練ったもの)を、塗りタイルを張った仕上げが主流でした。それでも土台や床の仕上げに水が廻り腐っていました。浴室のリフォームを考える、きっかけに、なっていたのは確かな事でした。水分が有ることでシロアリが発生している現場も数々ありました。ひどい時には土台や柱、床板などがほぼ食害にあっていました。

 

 現在の木造戸建住宅では浴室には、ほとんどシステムバスが組み込まれタイルはりの浴室は造る事がなくなりました。その理由は、浴室廻りの基礎を高くしなくて良い事、床下に土を入れなくて良いので通風が確保でき、又木部に水が廻る心配がほとんど無いので水による腐れやシロアリの食害を心配しなくて良くなりました。

 システムバスも、どんどん進化して行き、取り扱いメーカーも数多くなり内部のデザインや組み込まれている機能も多種多様で、充分希望を満たせる商品に育ったと思います。

私は、新商品を住宅にお勧めするのは、かなり慎重な方で発売から最低3年ほどクレームが無い事や、世に認められず消えてゆく商品を一生物の住宅に組み込む事を、ためらうからです。システムバスは良い商品だと思っています。

 昔の便所について考えると、小便器は壁に、和風大便器が床と同じ高さに造られ、しゃがんで用を足すのが一般的でした。床や壁は汚れやすく水を流して掃除が出来るように、タイル張りで造っていました。浴室と同じような理由で水腐れやシロアリの食害による被害が多い箇所でした。

生活スタイルが変わり洋便器の利用が一般的になり、和風便器が住宅の中から消えていきました。それと供に便所の造り方も変化していきました。便所の床や壁を水洗いする事も無くなり、床や壁にタイルを張る必要もありません。浴室と同じように土を入れる必要も無く水による腐れやシロアリの食害も心配することが無くなりました。

新しい商品の出現や、生活スタイルの変化で住宅の造り方は、変化していきます。今は新型コロナの対策で、住宅の間取りが変化わっていく時期だと思います。

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