岡本銘木店 創業の話

2024年9月20日 更新

佐藤朋子

大阪本店

ベターホームの親会社の岡本銘木店の話をしたいと思います。
私が生まれたのは大阪市南区横堀というところでした。

今は中央区南船場という地名に変わり 西横堀川は埋め立てられ その上に阪神高速が走っています。
写真のように川には木材が貯木されていて この木材はポンポン船と呼ばれる蒸気船で南港から木材を運び 右のような材木店が立ち並ぶ店の前で おろされて 貯木していきました。
横堀は御堂筋と四ツ橋筋の間の横堀筋(当時)にあり 材木、銘木店が軒を連ねていました。
うちの会社は一階が店と倉庫 二階が右の階段から上がると私たちの住居 左の階段から上がると社員寮になっていて 欄間職人さんたちが寝泊まりしていました。
父は材木を買うお客さんが来ると この木の上に乗りくるくると足で回して 木を見せていました。たまに足を滑らして落ちることもありましたが そんなに深くなかったのかいつも無事でした。

父は社長が亡くなって売りに出た欄間店を店と職人丸ごと引き受けて買い取りました。
まったく横堀とは縁のない25歳の若造が入ってきて 老舗の横堀の人たちは快く受け入れるはずもなく木材一つ 市で買えなかったようです。
そこで父は欄間職人を遊ばせないために 端材として売っていた節ありの木を買い 節を抜くように欄間の絵を自分で書いて職人に彫らせました。木材原価の安い木材で一流の職人が彫った欄間は安く売ることができ 岡本銘木店の欄間は積水ハウスの社長に認められ積水ハウス全戸採用となったのです。

いつの時代にも創意工夫が必要だと先代のことを尊敬する今日この頃です。
住宅着工数が減っている今こそ色々なことを考えチャレンジしなければと思います。

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